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郵政ががん保険を売ったらどうして危ういのか [生命保険]

郵政が、アメリカ資本のがん保険を売り始めるのではないかという話が問題視されています。どうして問題視されているのでしょうか。新聞(東スポ8月6日付)に詳しく書かれています。

★ 最近、医療費に関する不安をあおる動きが相次いでいる。例えば、自由診療枠を一部認めるとか、70~74歳の高齢者医療費を1割負担から2割負担にするとか、極め付きは日本郵政が米国資本のがん保険を売り始めるというニュースだ。このうち2割負担とがん保険のセットには注意が必要である。「医療費の負担増を民間保険でカバーしよう」というおかしな風潮になりかねないからだ。
 高齢者医療費の負担増が実施されると、確かにその年齢層の外来診療や薬代などの窓口負担は増える。しかし、入院が不要な、そうした日常的な医療費を、それに見合う安い保険料でカバーしてくれる民間保険は、たぶん存在しない。
 また、日本には「高額療養費制度」という民間保険にとって極めて高い参入障壁が立ちはだかる。この制度により、たとえ2割負担になっても、一般的な所得の70歳以上の1か月の自己負担限度額は通院が2万5000円弱、入院した場合でも世帯の1か月限度額は6万2000円程度であり、仮に老夫婦の1か月の医療費が計200万円かかっても、6万円程度の支払いで済むのである。
 がんにかかった場合でもその自己負担額は変わらず、高齢者向けがん保険の出番には疑問符が付く。がん保険が有効なのは都会の高額な差額ベッド利用時などに限られるとされ、保険関係者自身が「数百万円の貯蓄があればがん保険は不要」と指摘するほどだ。ちなみに欧米ではがんに特化した医療保険など見当たらない。
 うがった見方をすると結局「狙いは郵貯」であり、地方高齢者の預金を掛け捨てのがん保険に振り向け「郵貯を米資本に差し出した」とやゆされる可能性もある。「郵貯やかんぽがあれば、がん保険は不要」と高齢者にアドバイスしてきた社会保障に詳しい誠実な営業マンが、一転してがん保険を売らなければならないとすれば、彼らのメンタルヘルスが心配だ。★

つまり、アメリカはがん保険を売りたい。でも、日本の皆保険制度のもとでは、がん保険など入っても見合わない。そこで、今回話題になっているTPPで「障壁」を崩してしまう。つまり、皆保険制度を崩してしまうことで、がん保険に価値が生じるわけです。

郵政ががん保険を売るときというのは、まさにそのときです。

つまり、郵政ががん保険を売るときというのは、皆保険医療の崩壊と、アメリカ資本にもうけさせる自己負担のがん保険市場の拡大につながっていくという話です。

皆保険制度が崩壊したらいったいどうなるのでしょうか。不安です。



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