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「1日あたりコーヒー○杯」という宣伝コピーの落とし穴 [生命保険]

「1日あたりコーヒー○杯」というコピーをパンフレットで見かけることがあります。保険料が負担ではないということを刷り込むためのコピーです。「1日あたり約○○円の保険料」という場合もあります。

通常、加入者は保険料を比較をするとき、月払いや年払いでいくらかを見ます。数千円から多いときには数十万(年払い)というレベルで比較するわけですが、そこに比較単位の違う「1日あたりの保険料」を表示することで、それが安いような気になってしまう錯覚の効果があります。

そして、そうした保険料はたいたい若い年齢の数字であり、年配者にはあてはまらないことがあります。

そもそも、保険料が安いか高いかというのは保障の中身を見なければわかりません。「保障に対するコスト」としてはじめて高いか安いかという評価ができるのであり、たんに「○○円」と書かれているだけでは高いとも安いともいえません。

たとえば、アリコ・ジャパンの「みんなのかんたん定期保険」は、「1日あたり約114円の保険料」(男性30歳)とパンフレットに書かれています。「災害死亡時2500万円コース」(保険期間10年)なら、月払いで2275円ですから、他の定期保険と比べても「安い」ことは確かです。

しかし、よく見ると「2500万円」の保険金が出るのは「災害死亡時」だけであり、病死は500万円しか支払われません。これがオリックス生命の「ダイレクト定期保険」なら、30歳男性で死亡保障が倍の1000万円(保険期間10年)のコースでも月々1900円で済みます。災害死亡のリスクをどう見るかにもよりますが、他商品よりも安いわけではないようです。

見かけの「安さ」ではなく、その保障が自分にとって適切で経済的にも支払いが可能かどうか、といった価値判断のもとに商品の選択を行いたいものです。

【参考文献】

『生命保険のウソ・ホント』(九天社)
草野直樹著

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